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こばやしクリニックオフィス
Melchor Pavillion
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Mountain View,
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Tel 650.962.4630
Fax 650.962.4631

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3. アメリカでの薬の買い方

アメリカの医薬品には、医師の処方箋が必要な処方薬(prescription drugs)と処方箋なしに薬局で購入できる市販薬(over the counter drugs、OTC) とがあります。アメリカでは医薬分業が徹底しており、医師は処方箋を書くだけで、薬の販売にかかわることは法律上禁止されています。薬をどの薬局で購入するかは患者さんの自由であり、街のドラッグストアなどで買い求めていただくことになります。

1. 処方薬について

処方薬を受け取るには、医師にもらった処方箋を薬局(pharmacy)の受付に提出します。この際、外来処方薬をカバーする保険をお持ちの方は、保険証も提示する必要があります。薬剤師がその情報をもとに、保険会社のデータベースにアクセスし、保険でカバーされる薬かどうか、その際copayと呼ばれる患者さんの投薬のための負担額はいくらか、を確認します。保険証に負担額が提示されていることもあります。もしその薬局に在庫がなければ、急ぐ場合には他の薬局に問い合わせた方が良いでしょう。

ここで注意しなければならないのは、健康保険会社が保険で支払うことのできる薬をformularyとして独自に定めていることです。Formularyのリストに載っている薬であれば、一般にcopayのみの支払いで、その薬をすぐ受け取ることができます。処方箋の薬がformularyに載っていない場合、患者さんは、「全額自己負担してでも医師の処方した薬を使うか」、「医師にもっと安くて保険でカバ-される薬に変えてもらうか」の選択を迫られます。後者を希望される場合には、薬剤師に申し出てください。薬剤師が医師のオフィスに問い合わせ、その同意が得られれば、長時間待つことなく、formulary薬をcopayの支払いで購入することができます。医師が変更に同意しない場合、保険を適応させるためには保険会社による承認(Prior Authorization of Benefits)が必要になります。これはその薬でなければならない正当な理由を保険会社に提示し、その許可を求めるという手続きで、その過程の終了に数日を要することもあります。保険会社の許可が得られれば、copayの支払いでその薬を購入できますが、そうでなければ自己負担で全額を支払うことになります。Formulary薬は各保険会社によって異なり、また同じ種類の保険でも頻繁に変更されるため、医師の側でも処方をする時点では不明なことが多く、以上のような混乱の原因となっています。

外来処方薬をカバーする保険をお持ちでない方は、全額を自己負担で支払うことになります。同じ薬でも、薬局によってその価格には最大15%程度の開きがあります。どこで購入したら良いのか不明の場合には、いつでもご相談下さい。    

2. 市販薬(OTC)について

市販薬は、患者さんが薬局で自由に購入することができます。医師に紹介された薬を、街の薬局で探してみてください。目的の薬が見つからない場合には、店員に尋ねてみてください。残念ながら、日本と違って、アメリカの薬剤師は市販薬についての説明をあまりしてくれません。市販薬は、専門的な知識がなくても、一般の人にも理解しやすい症状に対して投与されるものがほとんどです。アメリカ食品医薬品局(FDA)が、これらの薬の安全性や有効性を厳重に審査しているので、説明書に従って使用していれば、薬の使用によりひどい副作用がでたりすることはほとんどありません。但し、アメリカの市販薬の説明書に書かれている用量は、アメリカ人の体格に合わせているので、体格の小さい日本人の方の場合には適切な量を主治医に決めてもらった方が良いでしょう。

実際に薬局で目的の市販薬を探す場合、類似の薬が多数あることに気づきます。これは、市販薬にブランド薬とジェネリック薬と呼ばれるものがあるためです。ブランド薬は、その薬をオリジナルに開発した製薬会社により発売されている薬です。ジェネリック薬は、ブランド薬の特許の期限が切れた後に、別の製薬会社により製造、販売されている薬です。製剤の性状が異なることがありますが、一般的には、成分名が同じであれば製造会社が違っても、基本的に同じ薬と考えていいでしょう。通常、ジェネリック薬はブランド薬に比べ、その価格がかなり低く設定されています。

また、アメリカの医薬品の特徴として、処方薬として何年も使用されてきた薬が、薬局で自由に買える市販薬に変更されるしくみがあります。すなわちアメリカの薬の中には、長い間処方薬として活躍し、その安全性、有効性が証明されたことにより、市販薬に変更になったものがたくさんあります。最近では、抗ヒスタミン剤のClaritin、抗潰瘍剤のPrilosecなどがその例です。患者さんからみれば、より新しくより強い作用の期待できる薬が安価で入手できることになり、より積極的に自分の健康管理をすることができるようになります。従って、アメリカの薬については、薬局で自由に買える市販薬はあまり効果がなく、医師の処方の必要な薬の方がより良く効くとは限りません。実際に、アメリカの医師を訪れると、市販のこの薬を飲みなさい、と指示されることも少なくありません。

アメリカの医薬品のしくみは、その複雑な健康保険制度と相まって、日本人の方々、特に日本からいらしたばかりの方々には、分かりにくい点が多いと思います。ご不明の点は、主治医の先生やそのオフィスに尋ねられることをお薦めします。

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