title
home medical preventive antiaging antiaging member
sa当クリニックについて
saドクター紹介
sa診察項目
sa医療情報
saドクターKのこだわり
saアクセス
saお問い合わせ

シリコンバレー オフィス
Melchor Pavillion
2490 Hospital Drive,
Suite 105
Mountain View CA 94040
Tel. 650.962.4630
Fax. 650.962.4631


サンフランシスコ オフィス
490 Post Street,
Suite 1244
San Francisco CA 94102
Tel. 415.699.6495/
415.834.5114
Fax. 415.834.5812

E-mail:
info@kobayashi-naika.com

medical info sa医療情報目次へ

10. アメリカ医療の基礎知識 (その2) - 医療保険について

 

1)はじめに

アメリカの医療保険のしくみは複雑です。種類も多すぎてよくわからないと言う話をよく耳にします。HMO、POS、PPOなどの基本的な保険のタイプの違いだけではなく、たとえ同じ保険会社より提供されている同じタイプの保険であっても、その契約の内容により、患者さんの自己負担が異なることもあります。保険の契約時あるいは更新時に、必ずご自分でその内容を確認、理解することが大切です。実際に医療機関を訪れる場合にも、不明な点がある場合には保険会社に直接問い合わせたり、契約時に受け取った保険証書の内容をもう一度確認しましょう。医療費支払いのトラブルを避けるためにも、日頃から、ご自分の医療保険の内容をしっかり把握しておくことが大切です。
今回は、分かりにくいアメリカの保険についてと、その関連事項を整理してお話します。

2) 医療保険の種類について

日本から訪れている日本人の方々に主に関係するのは、HMO、POS、PPO及び海外旅行社保険などです。それぞれの特徴を簡単にまとめますと、

(1)HMO:
プライマリケア医、専門医、病院ともネットワークに所属し、加入者はネットワークに加入した医師や医療機関のみ利用できます。専門医の受診、病院への入院は、いずれもプライマリケア医を通じて行われます。
一般に年間免責(DEDUCTIBLE)がなく、一部負担金(COPAY)も少なくて済みます。医師への診療報酬が定額前払い制なので、疾病予防のための給付(PREVENTIVE CARE)も積極的に行われます。
患者さんの負担は比較的軽く済みますが、患者さんの希望するドクターがネットワークに所属していないかもしれないこと、病気になった場合にその医療費削減のために十分な検査や治療をしてくれないなどの不満を患者さんが持つことも少なくない、などが問題になっています。カイザー保険などはこのタイプに属します。

(2)POS:
このネットワークに所属しているプライマリケア医、専門医、病院へは、HMOと同様に小さな自己負担で利用できます。
ネットワーク外の医師や医療機関も利用できますが、その場合には年間免責額があったり、自己負担が増えたりします。ネットワーク内の医師への受診であれば、予防のための給付が積極的に行われます。
HMOとPPOの中間のタイプに当たります。

(3)PPO:
アメリカを訪れている日本人の方の多くが加入しているタイプです。HMOやPOSと異なり、医師や医療機関を自分で自由に選んで受診できる点が魅力です。
但し、この場合も訪れようとする医師、医療機関がネットワーク内に属しているかを必ず確認することをお勧めします。定率負担が一般的ですが、ネットワーク内かネットワーク外かによって負担の割合が異なり、ネットワーク外の医師や医療機関を利用した場合、かなり自己負担が増えることになります。
また、ネットワーク内の医師であれば、年一回の診察、子宮がん検診、乳癌検診などの基本的な疾病予防のための給付(保険でカバー)を受けられることが多いようです。

(4)海外旅行者保険:
一般に渡米前に日本で加入する必要があります。契約時に定められた一定の限度額内では、海外滞在中の病気や怪我をほぼ100%カバーしてくれます。キャッシュレス提携医であれば、受診当日の自己立て替え金も必要ありません。また一般に受診する医師や医療機関の選択に制限がないのも魅力です。
但し、保険加入時にすでに患っていた病気についてはカバーされない、健康診断などの疾病予防のための給付は受けられない、子供の定期検診や予防接種がカバーされない、保険加入後に発症した病気でも一定期間以上は(例えば6ヶ月など)続けて診療を受けることができない、妊娠や出産費用についてはカバーされない、などの制限があります。

3) どの医療保険を選ぶのがよいのか

それぞれのタイプの保険の特徴を踏まえた上で判断することになりますが、よくわからないからと盲目的に選択するのはよくありません。同じタイプの保険でも、医師外来オフィスへの受診(OFFICE VISIT)のカバーの有無、年間免責額(DEDUCTIBLE)、外来処方薬(OUTPATIENT PRESCRIPTION)のカバーの有無、などにより毎月の掛け金(PREMIUM)も変わります。アメリカの保険料は決して安くはない上、頻回に利用する部分のカバー率が低いプランの保険を買えば、受診時の自己負担が増すことにもなります。どこを厚くどこを薄く保障してもらいたいのか、事前に検討する必要があります。

ポイントは、加入者の年齢や健康状態、治療の必要な既往歴の有無、定期健康診断や予防接種の必要な小さな子供さんの有無、妊娠や出産費用のカバーの必要性、HMOやPOSのネットワーク内に自分の希望する医師(例えば日本語を話す医師など)がいるか否か、などでしょう。各保険会社のネットワークに所属する医師リストは、保険加入前にもインターネットで検索することができます。
例えば、渡米前より病気があり、渡米後もひきつづきその加療を続けなければならない場合、小さいお子さんがいて定期的な健康診断を受けなければならない場合、妊娠や出産についてのカバーが必要な場合、などは多少掛け金が高くてもそこの部分を厚くしたアメリカの健康保険を選ぶべきでしょう。一方、学生などの健康な若い方で、滞在期間が比較的短く、特に不測の病気や事故に備えたい場合などは、海外旅行者保険が便利かもしれません。

4) ネットワークについて

医師の保険ネットワークへの加入は、医師と保険会社との契約により成立します。医師はネットワークに加入することにより、その保険を持つ患者さんが自分のオフィスを受診することを期待します。保険会社は良い医師をネットワーク内に多く抱えることが保険の加入者を増やすことつながると考えます。
医師は無審査でネットワークに加入できるわけではなく、”CREDENTIALING”と呼ばれる一定の審査を経て加入が認められます。保険会社としても、その医師が保険加入者をしっかりと診療してくれるかどうか知りたいわけです。その審査の基準は、医師免許の制限や停止歴、教育歴、専門医資格、医療過誤歴、医療過誤保険加入状況などです。また、その医師が評判の良い市中病院に自分の患者さんを入院させる資格があるか否かも患者さんにとっては重要なポイントです(HOSPITAL PRIVILEGE)。
PPOに加入されている方もネットワーク内の医師を受診すれば、自己負担を大きく軽減できます。各保険会社のネットワークに所属する医師リストは、多くの場合インターネットで検索することができますが、医師を受診する前にオフィスに電話をして確認することをお勧めします。

5) 良い主治医を選ぶためには? 

アメリカの医療制度が日本と違う点の一つは、プライマリケア医の存在です。プライマリケアとは初期医療の意味であり、アメリカ人は身体の不調があると、それがどのような問題でも たいていは、まず自分のプライマリケア担当の主治医に相談します。プライマリケア医は、別名ゲートキーパー医とも呼ばれ、患者さんを診察の上で専門医への受診、入院の必要性などを判断します。良いプライマリケア医を持つことは、アメリカでの健康管理に重要です。しっかりと診療してくれる医師であれば、必ずしも日本語を話せる医師である必要はないと思います。その選択の基準としては、

(1) 必要とする時に適宜連絡がとれ、アドバイスを受けたり、診察や治療を受けることのできること、
(2) 患者さんの話をよく聞いてくれること、
(3) 患者さんの病気、病状、治療(特にその選択肢)について、きちんと説明をしてくれること、
(4) 各診療科を公に標榜する実質的な資格があること、例えば専門医の資格(BOARD CERTIFICATION)など、
(5) 評判の良い市中病院(COMMUNITY HOSPITAL)、教育病院(UNIVERSITY HOSPITAL)などに自分の患者さんを入院させる資格(HOSPITAL PRIVILEGE)を有すること、
(6) 自分でわからないことははっきりわからないと言い、自分の手に負えないと判断した場合には 責任を持って必要な専門医に紹介してくれること、
(7) 他の医師のセカンドオピニオンを得ることを嫌がらないこと、
などです。

自分の体調がすぐれない時に気軽に相談をでき、しかもちゃんと診てくれるような先生が望ましいと思います。時間にゆとりのあるときに健康相談などを通して、自分と相性がよく、信頼できるプライマリケアの先生を見つけておくと、いざというときに慌てなくて済むかもしれません。

6)注意しなければならないこと(実際にあったトラブルの例より)

(1)医療保険に新規に加入する際には、既往歴を正確に申告しましょう。特に保険加入後まもなく、慢性疾患の診断がなされ、その治療薬が処方された場合には必ず保険会社による調査が行われます。場合によっては、保険契約を解約されることもありえます。
(2)医療保険に新規加入、あるいは現在の保険を更新する際には、契約書の第2保険(2nd insurance)に関する項目に必要事項を必ず記載しましょう。第2保険がない場合でも、必ず署名をする必要があります。この項目の記載がなければ、保険の給付はおりません。
(3)医療保険を使用する場合には、必ずその契約の始まる期日を確認してください。その契約開始日以前の医療サービスは保険ではカバーされません。契約日以前に遡って、保険請求をすることはできません。
(4)患者さんのプランによっては、保険が有効となる前に一定の観察期間(WAITING PERIOD)の設けられていることがあります。特に慢性疾患の既往症のある方、あるいはアメリカでの医師受診歴のない方などの契約に設定されます。この観察期間中の医療サービスについては、保険が給付されないということもありえます。
(5)自分の医療保険のカバーする範囲が不明の場合には、保険内容を記した保険証書(POLICY BOOK)を参照したり、あるいは保険会社、保険のエージェント、勤務先のHUMAN RESOURCE担当者などに問い合わせることにより、医師オフィスを受診する前に必ず確認してください。
(6)一般にアメリカの医療保険の契約は、年度末に更新されます。保険の給付に関しても、年度末に自己負担金が初期化されます。すなわち年間免責額(DEDUCTIBLE)なども新年度とともに、$0から再スタートします。従って、年末に向けてDEDUCTIBLEがすでに満額に達していても、新年度の開始とともに再び自己負担金が発生しますので、注意が必要です。

以上は、医師オフィスやラボ、放射線科施設などからの不測の高額請求書を受け取るのを避けるために、重要なポイントです。よく目を通されて、ぜひ参考にしてください。


 
Copyright © 2010, Kobayashi Medical Clinic All rights reserved.