人間ドックのための胃カメラ検査について

こばやしクリニックの人間ドックサービスに新たに胃カメラ検査が加わりました。

胃カメラ検査では、食道、胃、十二指腸(これらを上部消化管と呼びます)を観察します。検査に用いる内視鏡は、昔はいわゆるファイバースコープと呼ばれ、先端の映像を無数のグラスファイバーで操作部に送るタイプのものでしたので、その細径化には限界がありました。現在、胃カメラ検査で一般に使用されるのは、いわゆる電子スコープと呼ばれ、先端のCCDカメラでとらえた画像をモニターテレビに映し出して観察するタイプが主流であり、以前と比べると内視鏡自体がかなり細くなりました。

胃カメラと聞くと、反射的に、苦しそうで嫌だと思われる方が少なくないでしょう。確かに楽な検査とは言えないかもしれませんが、最近の胃カメラ検査は、軟らかく、細いスコープを使いますので、苦痛は昔ほどではありません。実際、胃バリウム検査より楽だという方も少なくありません。最近日本で行われる人間ドックでは、放射線を多く被爆してしまう胃バリウム検査に置き換わり、胃カメラ検査を行うのが増えてきています(健康コラムを参照)。

これまでは、日本でも、胃癌の早期発見のためのスクリーニングの方法としては、主に胃バリウムが行われてきました。胃バリウムは、胃カメラ検査に比べて、確かに手技も簡易で、費用も少なくすみますが、バリウムで早期胃癌を発見できるかどうかは、ひとえに撮影とその読影の技術にかかっています。日本は2重造影法が開発された国であり、日本で行われる胃バリウムの撮影、読影の技術は世界でも最高です。日本では、ベテランの医師/技師により行われる胃バリウム検査により、胃粘膜の構造の微妙な乱れなどの解析が詳細に行われ、早期胃癌の発見、胃癌による死亡率の減少に大きく貢献してきました。それに比べて、アメリカでは胃癌の発症率が日本に比べると圧倒的に低く、胃バリウム検査自体もあまり行われておらず、残念ながらその質も日本には及ばないといわざるを得ません。ところが、胃バリウムで胃の早期癌を発見できるかどうかは、ひとえに検査、読影をする医師/技師の技量、経験に大きく依存しているのです。

胃カメラ検査はどうでしょう。胃カメラの強みは、食道、胃、十二指腸の粘膜の状態を内側から直接目で見ることができることです。胃バリウムではわかりにくい色調の変化、出血の有無なども明らかにすることができます。ポリープや潰瘍など、表面が隆起したり、陥凹したりする病変ばかりでなく、全く平坦な病変についても、色調の変化などで発見することが出来ます。また、疑わしい病変があった場合に、組織を採取して病理検査に出す、すなわち生検できることも、胃カメラ検査の大きな利点です。さらに、特に将来妊娠の可能性のある女性の場合などでは、多くの放射線を浴びる胃バリウム検査の好ましくないことはいうまでもありません健康コラムを参照)。

当クリニックでは、人間ドックを目的とする胃カメラ検査のために、Pentax社製小径電子スコープであるEG-2530(径7.8mm)、EG-2930K(径9.8mm)の他、極細経電子スコープで経鼻的胃カメラ検査も可能なEG-1840(経5.9mm)とEG-1540(径5.1mm)を導入しており(詳しくはこちらへ)、検査の目的や患者さんのご希望などに応じて、使用するカメラを選択しています。検査中のビデオ画像は、デジタル化した上で、ハードデイスクに記録します。当クリニックで行う人間ドックのための胃カメラ検査では、検査後に、撮影したご自身の胃や十二指腸の映像を医師の説明を聞きながら、一緒に見ていただきます。その映像をCD-Rに記録し、検査のレポートとともにお渡しするサービスもしています。

当クリニックでは、全身麻酔などは使わず、日本での方法に準じて、局所の麻酔を十分にした上で検査を行います。検査終了後1時間は経口摂取はできませんが、その後は局所麻酔の効果が切れ次第、飲水や食事もできるようになります。当クリニックでは、検査に伴う病原体の感染などを防ぐために、1本のカメラを同じ日に複数の患者さんに使用することはしません。4本のスコープを用意してますので、ご夫婦などで人間ドックを受診していただき、別のカメラを用いて、お二人で同じ日に胃カメラ検査を受けることも可能です。

胃カメラ検査は、バリウム検査に比べてやや辛い検査であることは確かですが、胃や食道の早期癌の発見などのために、より質の高い、より情報量の多い、有意義な人間ドックを提供したいという理由で、当クリニックでは胃カメラ検査を積極的にお薦めしています(健康コラムを参照)。

May 03, 2006

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