こばやしクリニックでの人間ドックサービスのオプションとして、経鼻的胃内視鏡検査ができるようになりました。

胃カメラというと反射的に辛いものと思っている方が少なくないと思います。経口的胃カメラ検査で辛いことがあるのは、内視鏡が舌根部を圧迫するために、咽頭反射と呼ばれる反応が起きてしまうためです。そのため、敏感な患者さんでは、嘔吐する時と同じような「ゲエー」という反射を起こしてしまいます。
これに対して、経鼻的胃カメラ検査では、内視鏡で舌根部を圧迫しないので咽頭反射による嘔吐を伴うことがあまりありません。また経鼻挿入法では、患者さんが検査中も普通に会話できるというメリットがあり、安心してリラックスした状態で検査を受けることができます(こちらを参照)。
また経口的胃カメラ検査では、検査に伴う咽頭反射を抑えるために検査前に、咽頭部を局所麻酔薬で十分に麻酔をする必要があります。また非常に敏感な患者さんの場合には、全身麻酔薬、鎮静薬の投与により意識を落とした状態(conscious sedationといいます)で検査を行うこともあります。一般にアメリカの病院では、後者の方法で胃カメラ検査が行われるため、検査後も麻酔の影響がしばらく残り、意識がもうろうとして、当日は運転などもできません。これに対して、経鼻的胃カメラ検査では、鼻腔内を十分に麻酔し、出血を予防する薬を鼻に投与するだけで、多く場合は検査可能です。無症状の患者さんのスクリーニングを目的とする場合には負担も少なく、好ましい検査法といえます。
経鼻胃カメラが開発されて以来、日本でも人間ドックで行う胃の検査をバリウムではなく、胃カメラに置き換える施設がますます増えてきています。私も自ら経鼻カメラを挿入し、自分の胃の検査をしてみましたが、ほとんど苦痛はありませんでした。従来の経口的な胃カメラでは、自分自身の胃カメラ検査をすることなどは全く考えられませんでした。
当院で導入したのは、Pentax社製の極細径電子スコープであるEG-1840とEG-1540というカメラです。それぞれ外形が5.9mmと5.1mmと小さく、ほとんどの患者さんにおいて経鼻的検査が可能です。怪しい所見があった時に、必要に応じて、組織検査をすることもできます。万が一、鼻を通しての挿入が困難であった場合には、経口挿入に切り替えることも可能です。カメラ自体が極めて細いので、経口挿入でも、従来のカメラよりも楽に検査を受けることができます。
ただし、この経鼻胃カメラ検査にもいくつかの弱点があります。例えば、従来のカメラに比べて画像の解像度がやや低めなため、見逃しがないように慎重に検査を進める必要がある、また視野がやや狭いので全体を観察するのにより時間がかかること、などです。当院では経鼻内視鏡の長所と短所を十分にご説明し、よく相談した上で、患者さんにとって最も好ましい方法を選択するようにしています。
| Apr 19, 2008 |
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